映画 IT HAPPENED HERE!

意外ですが、ディズニーが真珠湾攻撃の映画(!)を製作するという断片的な情報が入ってきました。アメリカ政府に協力を要請するためプロデューサーが先週、国務長官と面会したそうで、3月の中旬からハワイでシークエンスの撮影に入るそうです。聞くところによると使用する零戦はあのTー6改造の映画零戦ではなくて、テキサスにある飛行可能な零戦21型(かつてボブ・ディマート氏によりカナダで復元)とサンタモニカの22型を復元する際に、この機体を元にロシアで複製した零戦2機を連れて行くそうです。実現すればスゴイですね! ふと思ったんですが、黒沢明監督が「トラ・トラ・トラ」の監督を降りる前に撮影したフィルムというのを見てみたい〜。誰かが独り占めしてるんでしょうかね。^^)

もうひとつ戦争映画の話しですが、大変興味深い映画を先日、地元の日替り映画館で見ました。私が住んでいるバークレーは学生街なので一般の映画館の他、名画座のような小規模の映画館が複数あり珍しいアンダーグラウンドからクラシック、外国映画など日替わりスケジュールで見れるので大変恵まれた環境です。この映画 "IT HAPPENED HERE!" というタイトルの英国アングラ系白黒映画で航空機は出てきませんが、〜もしBattle of Britainでドイツが英国を打ち破り占領したら..?〜と言う"What if" 物です。オリジナルの脚本は16歳と18歳の少年が書いたというのであまり期待はせずにに見たのですが、予想をはるかに上回る出来でした。レジスタンス活動を含め占領下のフランスで実際に起きた歴史をパターンにしているのですが白黒のシネマフォトグラフィーが美しくまるで1940〜50年頃に作られた映画の様。予備知識なしで見たら映画が製作された時代を見破るのはなかなか難しいでしょう。

歴史ファン、ミリタリーファンには見所が多いのですが何といっても軍装関係の考証が凄いです。実際に使われた銃器、車両(走らない本物のヤクトパンサーまで登場)もさることながらナチ・イングリシュ・ボランティアグループの制服デザインなど架空の物も説得力のあるものばかり。多くのミリタリー研究会が無償で協力(出演)したそうですが流石です。

ドキュメンタリータッチの映画中、ドイツやイギリスのニュース映画(もちろん架空)をナレーション代わり、状況説明としてうまく使っています。当時のニュース映画の撮り方を実に良く研究していてLONDONの観光名所を訪ねるドイツ兵の映像などは本物とみまごうばかりです。去年ロー・バジェットのホラー映画 "The Blair Witch Project"がこちらで大ヒットしましたが、予算のなさを逆手にドキュメンタリータッチで成功した点が似ているかもしれません。たとえばユダヤ人銃殺のシーンでも手持ちカメラを使い、素人役者が演じるドイツ兵がカメラを意識してニヤついているところなど、かえって本物のそれを思い出して戦慄を覚えた次第。

今ビデオが出ているか探しているのですが..。どなたかご存じの方いませんか?

2/12●目次に戻る

 

 


        ●ご案内のページへ戻る