「プラモにおける質感表現」その2

私の「プラモにおける質感表現」について何人かの方から賛否両論ご意見頂きました。有難うございました。

外被表現については私が1/48以上のレシプロをメインに作っているのとオールドキット・ファンのためちょっと片寄った意見になってしまったかもしれません。またスケールの違いによる模型の目的の違いにも触れるべきだったと思っています。私はプラモにかぎらず、鑑賞用模型の本質はプロポーションであり説明的表現も含めたトータルでのイメージだと思っています。これは単に私個人が模型を絵画や彫刻と同じように捉えているということで、これだけが模型の在り方であると言うつもりではありません。

私はモデルとなってる飛行機が人間や動物と違い、図面をもとに作られた同じ工業製品であっても、その魅力をミニチュアにして手元に置きたいと思うとき「表現」という領域に踏み込まざるを得ないと考えます。それはちょうど縮小された飛行機に同じ色を塗っても実機のイメージが伝わらないのと同じように、縮小された立体にも「省略」「追加」等の「造形的表現」が求められているのだと思います。最近のプラモデルはCADなどの導入によりますます図面的アプローチが顕著になっていますが、私は図面的な正確さよりもイメージを大切に「らしく」作られた模型をより好ましく思ってしまうので、昔の模型が目指していた「らしさ」についても書いておきたくなったのです。

最近キットに省略されることも多いパイロットフィギュアですが、50年代のアメリカン・キットにフィギュアの素晴しいものが付いていた事実もプラモデルがアーティストからエンジニアの手に移った事を示すようで興味深く感じました。

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